画面の中の作品を、一枚のアートに。— Giclée Print
Aug 12, 2026
《Campanella》は、デジタルで制作した作品です。
制作している間、作品はずっと画面の中にあります。
色を重ね、細い線を何本も描き、完成したあとも、そこにあるのはデジタルデータ。
その作品を、実際に手に取れる一枚のアートとして届けるには、どんな方法がいいのだろう。
MUNI ART GALLERYでは、アートポスターにジークレー(Giclée)印刷を選びました。
今回は、実際の仕上がりや細部の再現性を確認するため、《Campanella》をA3サイズでプリントしてみました。
※MUNI ART GALLERYで販売するアートポスターはA4サイズです。
Giclée Print

ジークレーは、高精細なインクジェット技術を使った、美術作品の複製にも用いられる印刷方法です。
今回、実物を手にして最初に驚いたのは、色の鮮やかさだけではありませんでした。
細かな線や色の重なり、少し擦れたような表現まで残っていて、画面で見ていた作品とはまた違う存在感があります。
近くで見る

赤、黄色、青緑。
何本も重なった細い線が、一本一本見えます。
印刷なのに、線が紙の上に直接描かれているように感じられて、不思議でした。

風船の赤にも均一ではない色の重なりがあり、その上に置いた青緑や、背景の青、白、淡い金色のような色まで再現されています。
近くで見ていると、本当にそこに画材がのっているようで、
「触ったら指に色がつきそう。」
と思ってしまうほどでした。
もちろん、触っても色はつきません。
紙も、作品の一部

MUNI ART GALLERYのアートポスターには、Arches(アルシュ)の水彩紙を使用します。
画面の中にはなかった「紙の質感」が加わることで、デジタル作品の印象も変わります。
黒い背景にも紙の表情が感じられ、作品全体に、画面で見るときとは違う存在感が生まれました。

画面の中では光だった色が、紙の上の色になる。
触れることのできなかった作品に、紙の手触りや厚みが生まれる。
今回プリントしてみて、紙を選ぶことも作品づくりの一部なのだと、あらためて感じました。
そして、飾る。

画面の中だけにあった作品が紙になり、額に入り、部屋の中に置かれる。
その瞬間、デジタルデータだった作品が、暮らしの中に存在する一枚のアートになったように感じました。
MUNI ART GALLERYが届けたいのは、単に作品の画像を印刷したものではなく、手に取って、近くで眺めて、暮らしの中に飾りたくなるもの。
今回《Campanella》を実際にジークレーでプリントして、その思いが少し形になった気がします。
画面から、紙へ。
そして、それぞれの場所へ。
A gallery of your own.
Written by munira